売上アップを目指すには、良い商品を製造して営業活動をしていけば自然と売上につながると単純に思ってしまいます。では、何をどうすれば良いか疑問に思いませんか。
マーケティング活動として知りたいのは、市場をどのように分析して、数字化していくかです。マーケティングでは、数字を武器に使えば必ず勝利できると言われています。
それほどマーケティングでのデータ作成には、大きな意味を含んでいます。確率思考からの戦略には、まず市場構造を知る必要があります。
今回は市場は何で構成されているかを分かりやすく說明していきます。市場構造が分かれば、マーケティング活動で何をすれば良いかが分かります。
マーケティングの本質
確率思考の戦略論
1.市場構造の本質は消費者のプレファレンスである
2.プレファレンスとは「消費者の持つブランドへの相対的な好意度」である
3.自社ブランドへの一人当たりの投票数を伸ばすことがプレファレンスに繋がる
4.売上を構成する7つの基本要素を抑える
1. 市場構造の本質は消費者のプレファレンスである(マーケティングデータ)
市場構造の理解をすることは、機械の操縦方法を知るようなものと例えられています。
また、市場構造の本質は、消費者のプレファレンス(ブランド選考)であるとも言われます。
しかしながら、市場構造の本質は、プレファレンスを高めることで終わらせてしまうと、業務や実務に落とし込むことができません。まずはビジネスの構造や売上のからくりを理解することから始める必要があります。【プリファレンスの理解はこちらの購入率の部分に記載】
ここではシャンプーを例に考えていきます。
第1段階の分解
市場(合計金額)
- 平均単価
- 1回購入当たりの平均購入個数
- 延べ購入回数(1年間の購入回数)
この3つの要素を掛け算すると、自社と他社のシャンプーの合計金額、つまり市場の大きさを知ることができます。
第2段階の分解
第1段階は理解できたところで、市場を理解するためにはさらに延べ購入回数を分解する必要があります。
延べ購入回数
- 総世帯数
- 平均購入回数
- 1年間に購入する人の割合
総世帯数は、基本的にはいじれない数字です。
また平均購入回数は、カテゴリーとの影響を受けています。
例えば、カテゴリーが家であれば、1生に1度あるかないかになりますし、シャンプーの場合では、月に1回程度で年間12回になります。
イメージしやすくするために4人家族で考えてみます。
1世帯の人数は4人です。
平均購入回数は、月に1回で年間12回になります。
年間に購入する人の割合は、いつも購入する人が1人の場合25%です。
2.プレファレンスとは、「消費者の持つブランドへの相対的な好意度」である(マーケティングデータ)
第3段階の分解
市場を理解するためには、さらに1年間に購入する人の割合を分解する必要があります。
1年間に購入する人の割合
- 認知率
- 配荷率
- 過去購入率
- エボークトセット率
- 年間購入率
1年間に購入する人の割合は、5つの要素に分解できます。
言葉的には難しいので、ちょっとついていけないと感じるかもしれません。でも安心してください。実際に買い物をする時のことを考えると理解できると思います。
認知率
知っているか知らないかです。色々なブランドが、CMなどの広告を使って、知ってもらうために必死になって競争している要素です。ここでは75%の人が知っていることにします。
配荷率
買い物に行ってその商品がお店に置いている割合です。お店に行ったけど置いてなくて買えなかった。こんな経験は誰しもあることだと思います。
配荷率をもう少し厳密に言えば、地方都市と首都圏では集客が違うので、売れる率によって配荷率を計算する場合もあります。ここでは単純にストアカウント(店舗数で配荷率を計算)で計算します。全国に100店舗あって、この中の80店舗にあれば配荷率は、80%です。
認知率と配荷率が分かれば、ここまでで購入可能かどうかが計算できます。
過去購入率
過去に購入があったかどうかです。カテゴリーによっても考えるかどうかを検討することもあります。家のような場合では、過去購入率を考える必要はありません。ここではシャンプーなので60%としておきます。
エボークトセット率(Evoked Set)
次回購入候補者のことです。シャンプーの場合は、何を購入しますかと質問して、パンテーン、ラックス、エッセンシャルの答えが返ってくれば、この3ブランドに関しては、エボークト・セットに入っていると言うことになります。
何かを購入する際、購入者にはブランドの候補(エボークト・セット)があり、その中からその時に買うブランドをランダムに選んでいることになります。
人によっては、5つの人もいれば10個の人もいてバラバラです。ここでは60%にしておきます。
年間購入率
購入率とは、お店の来店客数に占める商品購入者の割合を示す数字です。ここでは60%にします。
この5つの要素
認知率・配荷率・過去購入率・エボークトセット率・年間購入率
を掛け合わせた数字が(1年間に購入する人の割合)になります。
認知率 75%X
配荷率 80%X
過去購入率 60%X
エボークトセット率 60%X
年間購入率 60%
合計 =13%
つまり、1年間に購入する人の割合は13%です。
購入してくれる人は全世帯の13%であることが分かります。
3. 自社ブランドへの一人当たりの投票数を伸ばすことがプレファレンスに繋がる(マーケティングデータ)
分解した結果
市場(合計金額)=
平均単価
1回購入の平均購入個数
総世帯数
認知率
配荷率
過去購入率
エボークト・セット率
年間購入率
平均購入回数
市場全体の数字をデータ化するには、この公式をきちんと理解する必要があります。プレファレンスは大事ですが、公式を理解していないと実際の業務には移れないというのが本音のところです。
4. 売り上げを構成する7つの基本要素(マーケティングデータ)
要約すると市場の売上を構成するのは、以下7つの要素になります。
- 認知率
- 配荷率
- 過去購入率
- エボークトセットに入る確率
- 1年間に購入する確率
- 年間購入回数
- 平均購入金額
【マーケティングデータ】の大切な本質!市場の要素を知る まとめ
マーケティングの本質
1.市場構造の本質は消費者のプレファレンスである
確率思考の戦略論
2.プレファレンスとは「消費者の持つブランドへの相対的な好意度」である
3.自社ブランドへの一人当たりの投票数を伸ばすことがプレファレンスに繋がる
4.売上を構成する7つの基本要素を抑える
マーケティング活動において大切なことは、1年間に購入する人の割合を増やすこと、つまり、認知率・配荷率・過去購入率・エボークトセット率・年間購入率を上げていくことが大切だと理解できたのではないでしょうか。
プレファレンスの向上のため、マーケティングのデータ化に役立ててみて下さい。
コメント