NM法は、似ていることや物をヒントにして、アイデアを出しやすくする技法です。
よく対比されるKJ法は、問題発見や問題把握を忠実に求めていく技法に対し、MN法は、実際に問題解決のための具体的なアイデアを引き出す特徴があります。
テーマに関して、類比を見つけ出し、その特徴からアイデアを発想していきます。類比とは、性質、構造、機能などの共通点のことです。
MN法では、類比(アナロジー)を見つけることから、類比技法とも呼ばれています。NM法には、目的に合わせて5種類の技法があります。
よく使われているのは、NMーH型です。早速どのような手順で進めていくかを見ていきましょう。
NM法を行う手順
NM法1 テーマを決める
会議になると、いつもだらだらと時間効率の悪いものになってしまうのを受けて、今回のテーマを「会議の時間を減らすためには」と設定する
NM法2 テーマに合わせてキーワードを決める
今回のテーマ「会議の時間を減らすためには」に合わせて、キーワード「話し合う」「減らす」に決める
NM法3 キーワードから類比(アナロジー)を発想する
キーワード「話し合う」から、類比は、電話、英語、マイク
キーワード「減らす」から、類比は、借金、痛み
NM法4 類比の背景を考える
「電話、英語、マイク」の背景は、 回線を通す、声を変換、外国人、言葉、大きくする
「借金、痛み」の背景は、後から払う、裁判所、住宅、車、銀行、口ーン、病院、薬、炎症、治療
NM法5 テーマと対象課題を結びつけてアイデアを発想する
「後から払う」→ 「後から会議の内容を確認する方法」
「銀行」 → 「あらかじめ、会議の解決案を預けておく」
「裁判所」 → 「発表の時間を決め、オーバーしたら罰金を科す」
「治療」 → 「会議の発表が長く要領を得ない人は個別でレクチャーする」
NM法6 出たアイデアをまとめて解決策を考える
出されたアイデアを、絞り込んだり、または複数のアイデアをつなげて1 つのストーリーにします。
「参加者は、あらかじめ議題に対する自分の意見を、事前にメールで配信し、会議の際には、所定の時間で参加者に説明する。
もし、所定時間内に終わらない場合は、ペナルティーとして、100 円を罰金として力ンパする。また会議の議事録をまとめて、全員に配布する」
NM法はステップがしっかりしているので、ある程度、強制的に発想していける点にメリットがあります。また、ヒントを得る方法も整理されているので、とても使いやすい技法です。
http://www.iwel.co.jp/kenkyukai/shiryo/NM_Text_150321terasaka.pdf
NM法を行う時の注意点
①ぼんやりとした、抽象レベルのテーマでは、NM法の特徴である、問題解決のアイデアは生まれてきません。
また類比(アナロジー)する際には、既存の知識に頼るだけでなく、自然界にあるものを眺めながらアイデアを出し合うことで、固定観念から逸脱した新たな発想になります。
キーワードとしてもイメージされる形容詞や動詞が有効になったりします。
②KJ法と同様に、最後の文章化までしっかり行います。断片的に繋ぎ合わせるだけでなく、全体の関係性を文章化することで問題解決のアイデアに到達できます。
③参加者と共に確認しながら作業を進めていきます。少数意見も活用できるという、NM法のメリットを活かすことが大切です。
NM法の効果とは
NM法1 キーワードに対して色々なアイデアが得られる
様々な角度からのアイデアがあり、自分では思いつかなかったような斬新な意見を得られます。
NM法2 情報の共有ができる
テーマやキーワードを考えていく上で、参加者全員で同じ情報を共有することができます。また類比の背景の説明により、的確な情報確認につながります。
NM法3 少数意見を活用できる
通常の会議では、どうしても多数決によって進行してしまいます。NM法は、少数派の意見であっても、一つの意見として考慮される魅力があります。発想も乏しくなった会議の打破には、NM法は、最適の技法です。
NM法 まとめ
似ていることや物をヒントにして、アイデアを出していくNM法の手法を導入すると、いつもの会議でのマンネリ化から開放されます。
また、新鮮味を感じながら会議を行えるので、新たな発見、気付きが生まれます。他人を批判しない雰囲気に気を配った会議にすると、新たなアイディアがより生み出されやすくなります。
NM法の手法を使うと、さらにアイデアのまとめ方を習得する方法が分かり、問題解決の近道になります。NM法の進め方を学習して、社内の活性化のきっかけを作っていきましょう。
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