コミュニケーションと一口に言っても、色んな要素で成立していきます。今回は情報発信についての方法です。
仕事をお願いしたのに、一番大切な部分ができていなかった。
理由を聞いてみると、そんな事は聞いていない。または、やってほしい事の意味が通じていなかった。こんなことは、よく経験することです。
正しく説明したつもりなのに伝わっていない。
なぜ分からないの？と思っていると、相手に対して批判的な思いがつのるだけで、情報発信の能力は高まりません。
大切なことは必要な情報をどれだけ簡単に、また分かりやすく伝えるかにかかっています。
情報発信能力のレベルを確認してみる
用紙に図形が描かれています。用紙に描かれてあることを説明していきます。
まず図形を見て説明文を考えてみましょう。次に誰かに相手になってもらって、説明した内容にそって描いてもらいましょう。
この時相手が何も質問せずにスラスラ図形を描いていれば、説明文は申し分なく100点です。
たいていの場合、ここはどうするのなど色々な質問がくるはずです。
ゲームの結果から能力を確認
何人かでゲーム形式にして同じことをやってみます。すると、説明するのが思っていたよりも、難しいことに気がつきます。
説明が上手な人とそうでない人も、このゲームをやれば明らかになります。
中には、とんでもない図形ができあがって大笑いすることさえあります。
すべての情報をきちんと丁寧に説明したと思っていても、相手方の描いた図形がすべてだと理解することが大切です。
上手に描けた場合、どのような説明をしたのかを聞いてみると、アイデアや発想に新たな気付きがあります。
情報発信にはすべての情報が必要です
このゲームでは、必要な情報は、3つあります。
①どんな形なのか
②どの位置なのか
③どれくらいの大きさなのか
図Ｎｏ１では、形の情報が伝わっていないことが分かります。
図Ｎｏ２では、位置情報の不備
図Ｎｏ３では、大きさ情報の不備
このゲームから、情報を分かりやすく説明することの大切さが分かります。
わかりやすい説明は、相手方に理解してもらいやすくなります。
今回の図形の情報発信の方法で、お気に入りを一つご紹介します。
①最初に、どの様な作業をするかを説明をします。
②次に縦を３等分、横を３等分したイメージを持ってもらいます
③９分割したマス目に添って順次説明していきます。
マス目の位置と大きさを基準にして一つづつ説明していきます。
形の情報
位置の情報
大きさの情報
この情報発信の方法であれば、見た目でもかなり近い図形ができあがります。
自分の説明不足を確認するには、このゲームは最適です。これをヒントに改善方法を導き出せます。
何人かで同時にゲームをする場合はこんな感じです。
2人１組になって、背中合わせに座ります。図形が書いてある用紙を、片方の人に渡します。
相手方には、図形を見せないことが条件です。それぞれ違った図形が描かれた用紙にします。
最初は言葉で説明できる簡単な図形にしましょう。制限時間を決め、片方の人が、相手方に説明をしていきます。
いかに同じような図形を描いてもらうかが勝負になるゲームです。またお互いの質問は一切無しです。
分かりやすい情報発信は報告書の書き方にも役立つ
分かりやすい説明をするには、文章の組み立てのルールも知る必要があります。
3つのポインに気をつけるだけで、分かりやすい文章になります。
①主語と述語が合っていない
例文
IT関連に力を入れているイロハ物産は、売上が急拡大で、社員に対しても自主性を重んじ、その社風を高く評価しています。
問題点
「イロハ物産」と「高く評価しています」は主語と述語が正しく対応していません。
よく見られる文ですが、分かりにくい文章となってしまいます。
訂正文
①IT関連に力を入れているイロハ物産は、売上が急拡大で、社員に対しても自主性を重んじる会社として有名になっています。
②IT関連に力を入れているイロハ物産は、売上が急拡大で、社員に対しても自主性を重んじる会社で、私はその社風を高く評価しています。
②修飾語と被修飾語を近づける
例文
私の姉は、いつものようにさっさと朝食を食べて職場に向かった。
問題点
この文章であれば「いつものように」が「さっさと朝食を食べて」を修飾することになります。
この文章を読んだ人は、「お姉さんはいつも朝食を早く食べられるんですね」との印象になります。
違ったイメージを与えてしまうので、食い違いが生じてしまいます。
訂正文
私の姉は、さっさと朝食を食べ、いつものように職場に向かった。
③一文は読みやすく短くする
例文
このメンバーでプロジェクトを達成するのは厳しいと言われていましたが、リーダーの木村さんは、自分の考えでメンバーをピックアップし、他の部署からも優秀な人材を呼び、さらに新人メンバーにプロジェクト推進の権限を与えるなど、びっくりする采配で素晴らしいチームを作り上げました。
問題点
この文章では句読点を打たれているのは1回だけです。文が長すぎると、読む人が内容を理解できなくなります。
読みやすくするには、文章を短くする必要があります。
訂正文
このメンバーでプロジェクトを達成するのは厳しいと言われていました。
しかし、リーダーの木村さんは、自分の考えでメンバーをピックアップ。
他の部署からも優秀な人材を呼びました。
さらには、新人メンバーにプロジェクト推進の権限を与えるなど、びっくりする采配で素晴らしいチームを作り上げました。
情報発信のスキルを身につけてコミュニケーション能力を高める まとめ
言いたいこと、考えていることが多すぎると、ムダな発言が多くなり、相手に理解してもらえなくなります。
たくさんの情報を、いかにシンプルに考え、相手に伝えるかがコミュニケーションのスキルです。
このゲームを通じて、まずは情報発信の能力のレベルを知ることから始めましょう。
次には頭を整理して、シンプルに考えるクセをつけていくようにしましょう。
確実に相手に伝わる説明ができるようになると、仕事の効率がアップするほか、信頼性も高まります。
情報発信の能力が高まって、わかりやすく説明できるようになれば、必ずコミュニケーションの達人になっていきます。
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