失業を契機にエネルギーを取り戻すため、思い切ってたった1人で海外旅行へ行くことに。
ヨーロッパ旅行の続き
アメリカ旅行記
パリのシャルル・ド・ゴール空港からニューヨークJFケネディー空港へ。空港にてホテルを予約し、イエローキャブでホテルへ。
途中有料道路があり、通行料の前払いを要求される。初めての経験で、ぼったくられているのではと少し不安になる。
ホテル到着後、FIT(ファッション工科大学)で学ぶ知人に連絡。
格安ホテルを探している相談をすると、FITの臨時講習生としての手続きをしてもらい、FITの宿舎の手配。翌日学生証をもらい、宿舎へ移動。
学生証を提示すれば、公共施設やレストランでは、すべて10%の割引を受けられる。
共同のシャワールームは、1人づつのブースに仕切られ、5人程度が使用できる。
驚きは、1人が入るブースの扉は、頭部分と膝下部分がなく、男女関係なく使用していたこと。
地下鉄の利用の仕方を聞いて、ほぼすべて地下鉄移動。まずは42丁目のタイムズスクウェアから。
世界の交差点と言われるこの場所は、多くの人で賑わう広場。テレビでよく見る大広告塔があり大感激。
またブロードウェイ・ミュージカルの劇場などがひしめき合って並んでいる。
次は五番街にあるダイアモンド街へ。世界の宝石の多くがこの場所から卸されている場所。
高級ブランドが軒を並べ、近くにはロックフェラーセンターやトランプ・タワーもあった。
五番街で圧巻だったのは、多くのユダヤ人がいたこと。山高帽に黒縁メガネ。丈の長い黒のジャケットに栗毛のヒゲ。
決まってこのスタイルで歩いている。異様に思えるこのスタイルも、億万長者のスタイルだと思えば案外かっこいい。
夕方は知人といっしょに五番街で食事。何を食べたいと聞かれて、日本食のうまい店の返答で、寿司バーへ。
店に入るなり、10人位いた店員から大声で「いらっしゃい」の掛け声。店内を見渡すと、多くの外国人が箸を使って寿司を食べている。
本当にここはニューヨーク?と思った瞬間。
かわりダネは、すし飯の上に焼いただけの鮭の皮。その他にはアボガドだけ。日本では考えられないメニュー。
ニューヨークのど真ん中にこんな日本があるんだと不思議な気分。
ニューヨーク・メッツの野球観戦にシェアスタジアムへ。
MLB(メジャーリーグ)の野球は日本とは違い、ホームとアウェイの差が非常に大きい。ホームチームを応援する観客はほぼ100%。
うぐいす嬢も男性。ホームチームの選手をたたえる時は、うぐいす嬢がスタンディングオーベーションをうながす。
ホームランを打てば、ウェイブをさせたりして盛り上げる。ウェイブをするチャンスが何度かあり、観客全員がノリノリ気分。
逆に相手チームの選手がホームランを打った時には、うぐいす嬢が、全員でブーイングしましょうとアナウンス。
観客全員でのブーイングはさすがに大迫力。違った楽しみ方でたいへん満足して観戦。
金融の街ウォールストリートを散策した後、自由の女神があるリバティー島へ。
バッテリーパークからフェリーに乗り2Km先のリバティー島へ到着。
上陸するとアメリカ独立100年祭に、フランスから寄贈された自由の女神が大きくそびえ建っている。寄贈された内容や歴史のことは、広場にある何枚かの看板で確認できる。
自由の女神の彫刻の中を、上まで階段で登ることも可能。ラセン階段になっていて、途中急に狭くなるが、何とか登ることができた。
上からの眺めもまた格別。マンハッタン島の素晴らしい景色が見渡せる。
知人からインド料理を食べに行こう、おいしいからと誘われ同行。
どんなお店かと期待していたところ、決まった店ではなくインド人街だと気づく。さすがにずらっと並んだレストランはすべてインド料理店。
日本で言う中華街のようなもの。ニューヨークには、エスニック街がいくつかあり、日本人街の近くには中国人街やイタリア人街もある。
夜ディスコに誘われるも、派手な服装でないと入場拒否されるとのアドバイス。
早速ベネトンショップで、青紫のパンツと青が基調の大きめの花柄のプリントシャツを購入。夜9:00のまだ薄明るい中、地下のダンスホールへ。
客はほとんどいない状態。寂しい店だなぁと思いつつ、音楽だけは騒がしいので、知人との会話もまともに聞こえない。
時間の経過とともに徐々に人が増えてくる。
深夜12:00にもなると、ひしめき合うくらい人がいっぱいになり、おまけに酒癖の悪い連中が寄ってきたりと雰囲気が悪くなって退出。
階段を登っていくと、知らぬ間に1階がジャズ・バーになっていた。驚いたのはそこにいるお客たち。
何と白髪のおじいちゃん、おばあちゃんの世界。深夜12:00を過ぎているのに、老人たちのすごいエネルギーを感じる。
いくつになっても、ジャズを愛し、社交場を愛する、ニューヨーカーの魅力を垣間見た気分。
「ティファニーで朝食を」のタイトルを思い出し、ティファニーへ。五番街にあるティファニーは宝石店。
貴金属だけでなくインテリア関係も展示されていて、手の混んだかわいめのアクセサリーがたくさん。どこか銀座和光のような感じが漂う。
残念ながら食事スペースは見当たらない。
帰国してから、なぜティファニーで朝食なのかを調べると、高級な身分になって朝食を食べましょうと言うことらしい。
今では店内に「ブルーボックスカフェ」なるものが登場しているとか。
おみやげ購入にハンティングワールドのショップへ。カーキ色の皮に象のロゴマークが付いたブランド。
到着すると店の扉は閉まっている。扉は透明で、中からはよく見えているはず。どうも要件を伝えないと扉を開けてくれないらしい。
「for souvenir」おみやげに!と伝えると、いきなりガチャと鍵を解錠した音。そのまま店内に。
ニューヨークも物騒な街なので、誰もが簡単に店内に入れてもらえないらしい。
高級ブランドなので、色々見せてもらったが、うわの空で話しを聞きながら商品を見る。購入したのは、小銭入れを8ヶ。
帰国して友人に使ってもらったが、使い勝手がよくないとの評判で残念。
世界三代美術館のひとつメトロポリタン美術館へ。
大きい美術館のため、ルーブル美術館の経験を踏まえて、見たいゾーンだけを見るつもりで入館。
思っていたよりも見たい西洋画がたくさんあり、その他見たいものも多くて十分楽しむことができた。
逆に時間がかかり過ぎて疲労感がつのる。簡単にすべてを見れないのは、大きい美術館のメリットであり、デメリットでもある。
裏手にあるセントラルパークでのんびり。半分居眠りをしながら、アメリカ人や観光客を観察するのもまた楽しい。
ソーホーやグリニッジビレッジがあるダウンタウン地区を散策。ワシントンスクウェアには、小さな凱旋門が存在。
何となく落ちついた雰囲気のある街をぶらぶらと散歩。
ブルーノート・ヴィレッジ・ヴァンガードのジャズクラブが立ち並び、サックスの音がする。
さらに脇道を歩くと、階段を数段登れば玄関という映画で見た家々があり、何となく懐かしいような気分を感じる。
郷愁と余韻を感じながら散歩を続ける。
ソーホーには、以外とブティックが多くショッピングの街の様相。石畳の道も趣きがある。にぎやかなミッドタウンとは一味違った魅力を感じる。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)へ。
この美術館では、ピカソ・ダリ・マティスなど近代画家の作品が多く見られる。
シャガールやマティスの何となく幼稚さの残る絵画が、新鮮味があり心に響く。
ポロックやモンドリアンの抽象的な絵画も訳が分からないが良く見えるのが不思議。
あまり見ないタイプの絵画がたくさんあり、いつまで見ていても飽きない楽しさ。
圧巻だったのは、近くで見ても何が描かれているのかまったく分からず、10m程度離れたエスカレーターに乗って、初めて何が描かれているかを理解できた絵画。
その絵画は、パチンコ玉の20倍くらいの大きさの玉が1ヶ上から吊るされており、その後ろには、玉と同じくらいの穴がたくさん開けられた鉄板が立てかけられている。
その後ろには人の顔が鉄板の穴ごしに見える構図。
その人の目は、こちらを睨んでいるのがはっきり分かる。分かった瞬間、鳥はだが立つほど、恐ろしく感じた強烈な作品。
サルバドール・ダリだと思い込んでいたが、近代美術館の所蔵品ではないようなので、いったい誰の作品だったのだろう。
近くにはセントパトリック大聖堂があったので、心を静めに訪問する。大きなパイプオルガンとバラ柄のステンドグラスが目に映える荘厳な教会。
ニューヨークでは、英語で質問しても何を話しているのかさっぱり分からない。
もちろん英語力のないこちらに問題があるが、あまりにも早すぎるのと、言い回しがどうも違うように感じる。
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